癒しのコツ~茶と骨~

2018 2/12 本当に良い日本酒とは~その2~

普段日本酒を飲まない人が日本酒に触れるキッカケがあるとするならば、一体何があるのか。それはコンビニではないでしょうか。日常的にコンビニに行かない方などまずいないはずです。その時に当然、日本酒も目にしているはず。

そして、そういった所で目にする日本酒というと、まず一番目に付くのが「生酒」。

確かに「生酒」は流行っているのかもしれませんが、生でない酒が生酒に劣るなどの考えが広まるのはおかしいことです。元来日本酒造りには熟成させ発酵させることで味を高めるという工程があるのです。

熟成を進めて、味と品質が最高の状態に来たところで火入れをして発酵を止めるということ、そして殺菌をするというのが火入れの目的であって、火入れは決して悪いことではありません。ましてや、生酒が最高なのだというのは明らかな間違いです。酒は「生」であるべき、というのは全くの偏見です。

そもそも日本酒は日の光、紫外線に弱いのです。なので日当たりのよい場所に置いてある日本酒は保管状態からしておかしい。良質な日本酒が日当たりの良い場所に置かれることはまずあり得ません。あるとすればアル添で強化された日本酒です。

そういったコンビニなどで日本酒を購入するのが、日本酒を初めて飲むきっかけになるような状態では日本酒は広まらないはずです。

ただ紙パックに入っている日本酒であれば紫外線を通すことはないので、もしどうしてもコンビニで日本酒を買いたいのであれば、出来るだけ紙パックのモノを選ぶと良いでしょう。

また目に付くところで良く売られている酒は焼酎以外はほとんど冷やしてあるはずです。中には冷やして飲むように、と注意書きがされているモノもあるほど。

しかし本来日本酒というものは燗酒にしたり、常温で飲んだり、冷やして飲んだりと温度変化とともに 味が大きく変わります。そうした味の変化を楽しむのが醍醐味でもあるのです。

初めてしっかりとした日本酒を飲んだ方は、まずその美味しさに驚きます。次に同じ酒なのに温度によってまるで全く違う酒のように変わってしまう味の変化に驚くのです。そして次の日の体調の良さに感激します。そうやって日本酒にハマっていく。ボクがそうでした。

そうして日本酒の魅力を知った人は、日本酒を買いにいろんな店に行くことになります。その時に目に付く謳い文句で一番多いのがズバリ「淡麗辛口炭濾過仕上げ」

ただ酒の知識のある人からすれば、ビールは別としても、そういった日本酒に好んで手を出そうとする方はまず居ないのではないでしょうか。

先に述べたようにアル添をすれば、どうしても辛口になりがちです。そして、まるでそれに占め合わせたかのように、世の中では淡麗辛口の酒こそが王道なのだという風潮が広められていきます。ただこれは決して正しくはありません。

酒は「軽快辛口」「濃醇辛口」「濃醇甘口」「淡麗甘口」といろいろあります。淡麗辛口が王道というわけではありません。そもそも淡麗辛口ブームの発端は一昔前の地酒ブームで流行った新潟地方の日本酒が淡麗辛口のモノだったから(もちろんそれが理由の全てではないでしょうが)であり、決してそれが全てではないのです。

「炭濾過仕上げ」という謳い文句も決して褒められたものではないのです。これは酒から雑味を取り除く作業であり、確かに日本酒を作る工程で長らく使われてきた製法です。しかし雑味だけは 取り除いても旨味は残すなど出来るわけもなく、どうしても味気なくなってしまうという欠点があります。

炭濾過仕上げとは、製造工程で雑味を含んでしまい良い酒になりえなかったものに止むを得ず処置を加えるというものでしかなかったものなのです。良い酒であれば雑味など最初から含みませんから炭濾過仕上げをする必要はありません。

もちろん淡麗辛口の日本酒が好きだという方もいるでしょう。決して淡麗辛口を否定するつもりはありません。(ちなみに日本酒の辛口の程度はラベルに「日本酒度」というのが掲載されているので、その値を参考にするとよいでしょう。)

ただアル添して手っ取り早く辛口に仕上げて、炭濾過仕上げで軽口に磨く。その上で淡麗辛口こそが良い酒だというプロモーションがを流す。この風潮を続けた結果、今、日本酒がどんどん見向きもされなくなっている現状にいい加減目を向けなければならないと思うのです。

食は人生の根幹です。

人間の体は、口にしたものから作られる。本来和食文化だった日本人の食は、戦争中に食糧不足から、質が低下ししました。戦後GHQにより洋食文化に席巻されて、その頃からそれまではなかった花粉症等の生活習慣病が蔓延し始めました。

グローバルな経済的合理性の下、利益は何よりも徹底的に追及されて食文化や人の身体までその対象としています。食料は添加物が蔓延し、結果異変をきたした日本人の体は様々な病気によって医療費は増大し、日本財政も悪化。そのツケは誰が払うのか、一体誰が得をするのか。

もうそろそろ考え直すべきなのではないでしょうか一人一人が食や情報に関するリテラシーを高めるしかない。その為にインターネットが役立ってほしいと思います。いたずらな批評よりも、前向きな議論を。それが出来るのはネットを使用する人達ですし、その先に本当に良いモノが広まっていき残っていく、という世に繋がっていくと思います。

茶番の窓その99