癒しのコツ~茶と骨~
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その三、「呼人(野沢尚)」「錦繍(宮本輝)」

野沢尚の呼人 「呼人」野沢尚。

身体が12歳の時点から全く歳をとらなくなってしまった「呼人」が主人公の物語。

体の成長が12歳で止まってしまうという特異な体質が、どんなに一生懸命勉強して知識を得ても、大人の社会に入ることの出来ないという環境を「呼人」に突きつける。

呼人と違い、呼人の親友たちは普通に歳をとるのだが、大人になるにつれて自分で自分を傷つけるような生き方を選ぶようになっていく親友たちを呼人は理解することができない。

親友たちも「呼人」と語り合うことで自分の心を癒しながらも、心も体も成長を止めて子供のまま生きていくことが幸せなのかと考える。

さまざまな矛盾を孕んだ社会の中を生き抜くために、人は変わらなければならないという現実と心の葛藤をとてもユニークな視点から読みやすく書かれています。

宮本輝の錦繍 「錦繍」宮本輝

幸せな生活を送っていた夫婦がある事情で離婚することになる。

数年後、偶然思いもよらない場所で再開し、そこから手紙を出し合い始め、 お互いの近況を報告しあうようになるところから物語りは始まります。

なぜ二人は別れる事になったのかという事情から、お互いが抱えていた孤独感、生に対する価値観、当時何を思っていたのか、そして今何を思っているのかを手紙に綴ってお互いの想いを交わす。

「呼人」と「錦繍」の二つの作品に共通していたのは、手紙のやり取りのシーンがあったことくらいです。(内容は全然似てないですけど)

全編手紙のやり取りで構成されている「錦繍」ほどではありませんが、「呼人」も結構手紙のやり取りがあり、そのせいか「錦繍」を読んだ後にもう一度「呼人」を読み返したくなりました。

当初「呼人」を読んだ時は、それほど感じるものはなかったんですけど、「錦繍」を読んでからもう一度チラッと読み返した「呼人」は何気にジン・・・と来た感じがしました。

1回目読んだ時は結構流し読みっぽかったかも・・・。
(そういえば当時はボク毎日酒を浴びるように飲んでいたな・・・)

「呼人」は「資本主義」「共産主義」「競争社会」「戦争」など多くの社会背景をとても詳しく順序だてて並べながら登場人物の成長を描いているのでちょっと不思議な背景の物語でしたが、結構入り込んで読めた気がします。

「錦繍」は大人向け「呼人」は若い人向けという感じがします。

「呼人」→「錦繍」という順番で読んだら癒されたように思います。

窓の風景その3