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その八、成毛眞のスティーブ・ジョブズ超解釈(成毛眞)

成毛眞のスティーブ・ジョブズ超解釈(成毛眞) 成毛眞のスティーブ・ジョブズ超解釈(成毛眞)

小説でもないのに、こんなに面白い本を読んだのは初めてかもしれない。最近の世の中にはアップルの元CEOスティーブンジョブズの関連本が溢れかえっているが、その9割以上が読むまでもなく賛美書であることが伺える。しかしながら、この本はまた違った方面からジョブズやアップルの全体像に迫っている。

ボク自身としては、ジョブスのようになりたいと思うことは無い。何故なら、育った環境も文化も市場も全てが日本とは全く違う社会で大成した人物を、群を抜いた特殊技能を持ち合わせているわけでもない日本人が目指そうという時点で挑戦としてすら成り立つわけがないと思うからです。

なので、ジョブズの自叙伝のような本を買うつもりもなかった・・・が、あまりにもジョブズ関連の本が本屋のあちこちの棚に参列されているので、ついその中にある「超解釈」などという突き抜けた感のある本を購入してしまっていました。

この本はジョブズの賛美書などではなく、全くの別方面からの切り口でジョブズを解釈しており、しかもそれがアップルとモメ合ってきたマイクロソフト株式会社の代表取締役による著書だとなれば興味を惹かれないわけがない。

本の題名だけ見れば、最悪の場合は全章英語で書かれていてもおかしくないくらいに難易度が高そうに感じるが、実際にはとても読みやすい文体で中学~高校生レベルの教科書を思い起こさせる。頭のよろしくないボクみたいな人間にも分かりとても助かります。

「windowsはmacのパクリ」とアップルがマイクロソフトを訴えた裁判の下りなんかは、部屋の中で一人声を上げて笑ってしまった。これがノンフィクションだというのだからまた可笑しい。

アップルがマイクロソフトを「パクリだ」と訴えた章を簡単に要約すると以下のようになる。

パソコンの概念「GUI」を作ったのはゼロックスのパロアルト研究所の設立に関わった「アラン・ケイ」である。1940年生まれである彼のこの概念がもし生まれなかったらwindowsもmacも100パーセント存在しない。

アラン・ケイはGUIを「未来に役立ててほしい」との想いで無償で公開した。このGUIをもとに作りだされたのOSがwindowsでありmacだ。

ところがアップルは「windowsはmacのパクリ」とマイクロソフトを相手に訴訟を起こした。

もとネタが同じOSを作っている会社同士が戦うのである。どう考えても時間の無駄だ。一応「マジッすか?」という旨をアップル側に伝えたというが反応なし。やる気満々である。

かくしてGUIをパクった者同士の裁判が笑いをこらえながら行われた。もちろん裁判にはアラン・ケイも出席している。

アラン・ケイによる「こんなバカな裁判起こすんじゃないetc・・・」という証言で裁判は一瞬で終わった。

ジョブズは起訴を取り下げマイクロソフト社内は爆笑に包まれた。

世界有数の頭脳集団の会社同士が起こす裁判にしては可笑しいにもほどがある。もっとも裁判を起こして相手のイメージダウンを図ることが狙いであれば、その狙いは見事だったと言わざるを得ない。ボク自身「windowsはmacのパクリ」のイメージを植え付けられた一人です。

成毛眞さんの本はこれの他にも沢山ある。そして、そのどれもが唸らせれられるものです。もちろん中には、それは成毛さんのように図太く強い精神と、研ぎ澄まされた感性を維持し続けていられる方だからこその意見ではないか、という反感を感じることもありますし、ボクは成毛さんの言う事全てを丸呑みする気もありません。

彼は自分の意見が絶対に正しいと思っている節もなさそうだし、彼自身、本を読む時は必ず懐疑心を忘れずに読めと言っているのですから・・・今回ボクはジョブズを否定的に捉える本を読んだので、一応賛美書の方もを読むべきだろうなとも思っています。(※追記 賛美書をちょっと立ち読みしたけど・・・本が分厚過ぎる上に文字も小さすぎるので、諦めるとします)

窓の風景その8