癒しのコツ~茶と骨~
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その十、刑務所なう。(堀江貴文)

堀江貴文。1972年福岡県生まれ。91年東京大学入学、のち中退。96年、有限会社オン・ザ・エッヂ設立。02年、旧ライブドアから営業権を取得。04年、社名を株式会社ライブドアに変更し、代表取締役CEOとなる。06年1月、証券取引法違反で逮捕。11年4月懲役2年6ヶ月の実刑判決が確定。13年3月に仮出所。

個人的に堀江貴文をどう思うかと聞かれれば、「わかりません」の一言です。ボク法律とか会計学とかほとんど知らないし。でもまあ、社会の荒波を知ってしまうと、結局のところは世の中全てが理不尽なことだらけで、最終的には「正しいor正しくない」ではなく「運が良かったor運が悪かった」の二つに分かれるだけなのかなぁ・・・と、冷めた価値観になっちゃいますね。

ただ人物としてのスペックは、常人とは比べ物にならないキレ者であることは確実。経歴を見るとあらゆる面でキレ者ぶりがわかります。無駄を好まず、才能を磨きあげることに努力を惜しまず、時機に敏感で、強靭な意志を胸に秘めた常に走り続ける起業家。そんなキレキレの男が刑務所に入れられたら一体どんな言葉が聴けるのか・・・

刑務所なう。(堀江貴文) それがこの「刑務所なう。」

2011年6月20日、モヒカン頭で収監されてから発信しつづけた、前代未聞の「リアルタイム刑務所日記」。獄中メシで何キロやせた? オリンパス事件どうなの? シャバを見つめた「時事ネタ時評」と、刑務所での読書記録150本も掲載。 《娑婆にいるスタッフや協力者に助けられ、私自身がずっと関わってきたインターネットによる情報発信が普及したおかげで、ボールペンで便箋に書いた原稿が、メールマガジンやTwitterのつぶやきにトランスフォームされて世界に拡散することになった。その結果が本書である。――「塀の中から皆さんへ」より》

・・・というわけで買って読んでみたところ、もう爆笑の嵐でした。おそらく著者サイドからあえてそういう作風を狙っていたのだろうな、とも思えますが、それにしても面白過ぎる。堀江貴文の経歴や、どんな人物なのかを念頭に置いて読むとますます面白い。

刑務所なう。(堀江貴文) 日記に交えて掲載されている「実録まんが」が自身が刑務所にいるというシチュエーションを、見事にパロディ化していて更に読みやすく仕上がっています。

ちょっとだけ面白かった部分を適当に紹介してみますと・・・

上は白のタンクトップ、下はグレーのパンツになる。丸刈りなのでまるで山下清みたいだよ。

夜時間は21:00.消灯といっても自殺防止なのかうす暗くなるだけ。しかも夏至近くなので朝も早い。さらに起床は7:00.いったい10時間もどうやって寝ろというのだ・・・。

新入者の間は運動の時間が唯一体を動かせる時間となる。「いい汗かいた」と思ったら濡れタオルでの汗拭きは不可。これはキツイ、そしてクサイ。なんか蕁麻疹みたいのできてきてるし・・・どうすんだよこれ。(風呂に入れるのは週に2~3回)

法務大臣訓令により、もみあげの長さが決まっているらしく髭を剃る時に自分で整えなければならない・・・つ~か、もみあげなんか自分で剃った事ねええ!!

世界各国の一流の味を食してきた。それなのに・・・刑務所の臭いメシを食うハメになるなんて・・・こんなメンチカツなんて・・・何これマジうまい!!

慰問演芸会。新人女性歌手は一人でAKBのヘビーローテーションを歌いながら登場。物悲しさに拍車をかけた。どうすんだこの微妙な空気。先輩は演目もほぼ前年と一緒だったと嘆息。施設側は我々を楽しませるためにやっているのか?

田原総一郎さんが面会に来てくれた。さすがに刑務官も「あの田原さんが・・・」的リアクションになりつつ、それでも平静を装おわなければならない感じでいて、なかなか興味深い体験ではあったよ。

冬は注意が必要だ。部屋の温度は多分氷点下。手足がマジ寒い。しもやけになりそう。手がかじかんで字が書けない。便座は氷のようだ。

昼飯に出たゆで卵を生卵だと思って豪快に割った新人がいた。刑務所では食中毒防止の観点から絶対に生卵なんて出ない。

複数の友人から大量のエロ本が届いた。付録に女性下着がついているものがあり、処分する為に廃棄の願箋に「パンツ」と書いたんだけど。(刑務所ではモノを処分する為にも、わざわざ廃棄の願箋を提出しなければならない)オレは獄中で一体何をやっているんだろう。

ざっと触りを紹介するだけでこのカオス感満載の文章の数々。交友関係はホントに広かったようで、面会に来た人物も実に豪華。西原恵理子(漫画家)、福本伸行(漫画家)、TERU(GLAY)などなど面会の様子は実録漫画にも載っています。

刑務所なうシーズン2。(堀江貴文) 一冊目が好調だったようでシーズン2も発売されています。

刑務所なうシーズン2。(堀江貴文) 内容はちょっとだけですが、一冊目よりパロディ要素が強くなっている感がありました。

風呂に毎日入れるということがどれだけ幸せな事なのか・・・炭酸飲料を好きに飲めるという事が、アイスを食べたい時に食べられるという事が、そんな日々の些細な事がどれだけ幸せな事なのか身に染みる想いです。

ただ量が非常に多い。なんと一冊にもかかわらず500ページ超えの分厚さ。本を読むのが早い方のボクでも結構かかりました。入院生活とか送っている知人がいたら是非送ってあげると喜ばれるのではないでしょうか。

窓の風景その10